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有明高専への進学をお考えの方へ

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有明高専を目指されている方に向けて、入学試験と卒業後の進路や待遇についての概要を書かせていただきます。高専を卒業した私の視点から就職後についても書かせていただきます。

有明高専の入学試験について

有明高専の募集人員は200名で、その内120名程度が推薦選抜で選ばれます。推薦を受けるためには中学2年生と中学3年生の評定が必要になります。以前の推薦枠は現在程多くありませんでしたが、留年する学生の割合が学力選抜者に比べ推薦入学者の方が少なかったため、推薦の枠を徐々に広げてきました。入学試験直前に成績を急上昇させる生徒よりも常日頃からコツコツと学習を続けられる生徒を重宝する傾向にあります。

有明高専はJABEE認定(技術者教育の質を保証するもの)を受けているため、定期試験の扱いも厳しいものになっています。私個人の意見としては、日々コツコツと勉強する力に加え、学力選抜を突破できる程度の基礎学力は備えておく必要があると感じています。中学校の5段階評価は絶対評価であるため、試験の結果だけでなく授業態度や提出物等も評定の要素となっています。試験であまり得点できなければ、提出部や授業での発表をがんばればある程度評定を上げることが可能ですが、有明高専では、試験結果が重視される傾向にあるため(教科や学年で評価割合は変わります)授業についていく学力やレポート提出時に自分で考察する力が求められます。

有明高専卒業後について

有明高専の就職率はほぼ100%の状況です。大学生ほど就職活動を行わなくても有名企業に就職できてしまう点は高専のメリットと言えそうです。就職後の待遇については、5年生卒業で就職であれば短大卒として扱われる場合がほとんどです。高専卒は高卒と同じ待遇になることはほぼありません。私の友人の中に高卒と同じ待遇の方はいないので、高卒の扱いをされるケースはほぼないものと思われます。専攻科卒業で就職であれば大卒扱いを受けます。就職後の昇進については、企業体質や本人の努力(コミュニケーション能力や資格取得など)によるので、大卒・高専卒のどちらが良いかは一概に言えないところだと感じています。土木のような現場感覚が必要な職種であれば進学を選択するよりも早く職に就いた方が企業では重宝されるのではないかと感じています。

高専は実習が充実しているため、現場での即戦力となる人材を育成するようなイメージです。研究職に就きたければ進学を視野に入れて学習を積み重ねていく必要があります。

公務員という選択肢について

高専卒業の進路として、理系の公務員への就職という道もあります。

学生の方は、公務員と一般企業の仕事内容の違いを理解しておくとよいかと思います。水道事業を例にすると、A浄水場が古くなってきたので施設を更新したい場合、A浄水場の設計を発注するのが公官庁(公務)で実際に設計や施工を行うのが一般企業です。公務員は全体的なデザイン(人口が減ってきたのでB浄水場を廃止する計画、災害対策に向けてC地区の基幹管路の耐震化を行う計画など)や施設の運営を担当し、一般企業は施設の廃止に向けてバイパス管の整備や水量・水圧のシミュレーションを行ったり、管路の耐震化の設計など個々の発注に対して自社のノウハウを活かして設計を行っていきます。

公務員は異動があるため、自身のやりたい事にずっと携われない可能性もありますが、部分的な最適解ではなく全体的な最適解を見据えて設計を行える点が公務員の特徴ではないかと思います。近年はPFIやコンセッションなど民間委託の範囲拡大も検討されているので(ちなみに荒尾市の水道事業は民間委託の範囲が広く全国的に見て先駆的な取り組みが行われています。)、どのような役割分担になるかは事業体の施策しだいになりますが、自身がどのような仕事をしたいのか日頃から考えておくとよいでしょう。

公務員をお考えの方はまず一般企業に就職するのもありではないかと思います。一般企業から公務員への転職はよくありますが、公務員から一般企業への就職が少しハードルがあるように感じるためです。一般企業で自身の専門性や設計ノウハウを磨き、公務員に転職後に自身の強みを発揮される方がよいのではないかと感じています。

私個人の意見としては、公務員は計画の立案・実行する側であるため、各分野の細かな技術的内容が理解できかつ物事を俯瞰的にみることができるゼネラリストが求めらると感じています。人口が減少する日本においては、現状のインフラを維持するだけでも困難となる場合がほとんどであるため、部分的最適解ではなくトータルで最適解となる取り組みを実行していく必要があります。高専で行う「この点については更なる研究が求められる」といった細部進化型の研究に加え、分野を設けずに幅広い視点で物事をとらえていく視野を大学や大学院で養うことが必要になってくるでしょう。自身の生活の安定面から公務員を志望する場合が多いと思いますが、公共の利益のために現行のシステムを作りかえていく気概を持って公務員を志望することが本筋ではないかと思っています。

やりたいことが明確にない方へ

やりたいことや就きたい仕事がはっきりしない場合は、興味がある分野にまずは就職してみるのもありだと思います。仕事をやっていく内にやりたくない事ややってみたい事がはっきりしてきます。全く別の職種に転職される方も多くいらっしゃいます。転職の際は、学歴ではなく経歴を見られます。どのようなことができるかが問われることになります。私のまわりには全く別の業種に転職された方や中小企業から大手企業に転職される方も多くいらっしゃいました。最初の就職先で全てが決まるわけではありません。仕事で培ったノウハウは別の職業でも活かせることがあります。就職後に自身の実力を磨いていく姿勢は学生の頃から身に着けておくとよいでしょう。

 

荒尾市、大牟田市で有明高専へ進学をお考えの方は当塾までご相談ください。高専生も数名当塾にご通塾いただいております。高専入学後もサポートを行っておりますので授業のフォローや定期テスト対策など不安を持たれる方は当塾をご活用ください。

この記事作成者の経歴

高専本科→専攻科→大学院→設計コンサルタント→現在

 

個別指導塾 スタディドア

荒尾市大正町2丁目3−2(メディア交流館)

 

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